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おもしろかった本やマンガを紹介しています。

2018-01-01から1年間の記事一覧

シンプルなクローゼットで「おしゃれ」になる。『服を買うなら、捨てなさい』

キャリア30年を超えるスタイリストが行き着いた、 本当に!おしゃれな人の服の買い方、ワードロープとは。 これまでも、スタイリストによる ファッションセンスの磨き方、 服の選び方、組み合わせ方などのハウツー本は 数多く世に出てきた。 正直、スタイリ…

数学者による日本論。情緒的であることの強さ。『国家の品格』

数学者、藤原正彦による日本論、国家論。 以前から、彼のエッセイは好んで読んできた。 その藤原先生による日本論である本書は、 以前にさらっと読んでいたのだが、 今回、改めて読み直すことにした。 本の冒頭で、藤原先生はこのように言っている。 「数年…

北欧的ライフスタイルの根底にあるもの。『HYGGE 北欧が教えてくれた、「ヒュッゲ」な暮らしの秘密』 (小さなことからはじめる、心地よい時間のつくりかた)

「ヒュッゲ」。3日ほど前(2017年の11月ころの話)、昼休みに書店を覗いたら、見慣れた棚の一列を陣取って、5冊ほど、「ヒュッゲ」関連の本が並んでいた。どれもタイトルに「ヒュッゲ」という言葉が入っている。この本は、その一冊。 ほほう。「ヒュッゲ」…

民俗学の名探偵、宗像教授の活躍について。『宗像教授シリーズ』。

このたび、星野 之宣(ほしの ゆきのぶ)による『宗像教授シリーズ』を紹介したい。 日本各地で起こる、摩訶不思議で、怪奇な事件の数々。 名探偵ポワロよろしく、事件現場に必ず居合わせるのが、 大東文化大学の民俗学教授、宗像伝奇(むなかた ただくす)…

ザワザワが続く、『わたしを離さないで』。

昨年2017年のノーベル文学賞にカズオ・イシグロが選ばれた。 読むべくして、このタイミングで、イシグロ作品を読んでみた。 いま読まないで、いつ読む?と手に取ったわけである。 ずっと気になりつつ、手を出さなかった作家だったからだ。 そして今回、後押…

料理と自由の関係。『もうレシピ本はいらない 人生を救う最強の食卓』。

ずばり、食の断捨離についての話である。「情熱大陸」の出演で、一躍有名になったアフロえみ子(敬愛の念とともにそう呼ばせて頂く)こと、稲垣えみ子が自らの食生活を公開し、新たな食のスタイルを提案している。 これまで、がんばって、レシピ通りにつくっ…

愛についての物語 in 庭球。『エースをねらえ!』。

「テニス王国」と呼ばれる、全国トップレベルの実力を誇る西高テニス部。高校生になったひろみは、お蝶夫人に憧れ、テニス部に入る。ひろみが、テニスや恋愛を通して、成長していく青春物語。 山本 鈴美香『エースをねらえ!』全10巻 (ホーム社漫画文庫) 「こ…

「極東は苦戦しております。」と訴える、田家実地子の革命について。『黄色い本』。

打ちのめされ、心震える本との出会い。 物語の住人になって過ごす、あの浮遊感。 そんな読書体験。 そんな体験を、こんなふうに表現できるなんて! 物語は、地方の高校生、田家実地子が、バスに揺られながら、 図書館からかりた、黄色い本(『チボー家の人々…

「ただいま」「おかえり」 安心していえる場所。『Sunny』。

第一回目になる今回は、松本大洋の『Sunny』を紹介したい。 ちょうど先日、2017年「第20回文化庁メディア芸術祭」で優秀賞に選ばれたことと、なによりも、大切な宝物になった作品だからだ。 Sunny(1) (IKKI COMIX) [ 松本大洋 ] 『Sunny』は、松本大洋が…